虫歯は感染症です

虫歯の主な原因菌はミュータンス菌(MS菌)といわれる菌です。
このMS菌は生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいないということが確認されています
歯が萌え出すころから次第にご両親や、他の人からのキス・同じスプーンや箸を使っての食事などで唾液を介して感染することが判明しています

前述したように、歯が1本も生えていない新生児の口の中にはMS菌はいません。MS菌は生後19ヶ月から31ヶ月くらいの時期に母親から唾液などを通して感染するといわれています。小さいお子さまがいらっしゃる方は、家族全員が3DSを行い、MS菌をなくして、子供に感染するのを防ぐことが大切だと考えられます。

当院では、虫歯や、歯周病に3DSといわれる最新の予防法を導入し、予防に努めています


           当院の予防法、3DSについて

3DSとは、Dental Drug Delivery System (デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略称で、虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌を直接除菌するするという根本的な虫歯予防法であり2002年に国立感染症研究所(武内博朗ら)が発表した従来にはなかった新しい予防法なのです
その原理はミュータンス菌が歯面にしか定着できず、他の口腔細菌の多くは歯面にも口腔粘膜にも定着できるという、いわば虫歯菌の持つ弱点を利用した除菌法です

歯面だけに薬剤を作用させれば、虫歯の原因菌を集中的に除去できるという訳です
但し、ミュータンス菌は歯面上に強力な細菌の膜(バイオフィルム)を形成しており、バイオフィルム上に薬剤を塗布しても内部には浸透せず、またすぐに唾液によって希釈・拡散してしまいます

3DSにを行うには、まずバイオフィルムを取り除かなければなりません。バイオフィルムをPMTCで取り除いた上でマウスピースに薬剤をいれ、歯面に作用させ除菌します
歯面には、再度バイオフィルムが形成されていきますが、ミュータンス菌の少ないバイオフィルムで覆われます
3DSを用いれば、唾液に希釈されることなく、安全で確実に薬剤を塗布することができます。薬剤を変えればむし歯菌だけでなく、歯周病関連菌の除去にも応用でき、口臭予防にもつながると考えられます
3DSを行うことにより、通常のブラッシングを続けているだけで虫歯原因菌の少ない状態が長期間維持されています。



                3DSの適応

(1) 虫歯になりやすい方(虫歯の発生を防ぎ、進行を抑制します)
(2) 乳歯に虫歯が多いお子さま(永久歯へMS菌が感染するのを予防します)
(3) 虫歯が多発するお母さま(3DSでMS菌を除菌し、母子感染を予防)
(4) 唾液分泌量が減少している方(歯根の虫歯、冠の周りの虫歯を予防します)
(5) 歯周病の方(歯周病に効果のある薬剤を使います)